世界各国で、再生可能エネルギーを活用するところが増加しました。
これは深刻な地球温暖化を食い止めるためであり、その最終手段となっているのが何度も循環して使えるエネルギーというわけです。
日本は専用装置の開発では世界一の技術と開発スピードを誇る
日本では1990年代後半から再生可能エネルギー装置の普及が進みましたが、欧州のスイスやデンマーク・ノルウェーでは1970年代から個人にも浸透していたものです。
当時は風力・水力発電がメインで、それぞれの地形を活かした設備を使って自家消費に力を入れていました。
現代では太陽光発電ソーラーパネルや、熱交換器と用いた地熱発電が主力となっており、個人だけでなく企業や事業所という大規模な施設のエネルギーを賄うことも可能です。
それらの電力を生み出すには、必ず専用装置を導入しなくてはいけません。
日本は先進諸国に比べて再生可能エネルギーの普及は遅れてしまいましたが、専用装置の開発では世界一の技術と開発スピードを誇っています。
2021年現在、世界シェアナンバーワンの地位に輝いているのは宮城県仙台市に本社を構える後藤悟志社長の太平エンジニアリングで、1970年に設立されました。
そこでここでは、この企業の歴史と現在の活動などを詳しく解説していきましょう。
太平エンジニアリングが設立された背景
個人向けの設備もたくさん市場に導入しており、これから購入を検討されている方にとっても役立つ情報となっています。
まず会社が設立された背景を見ていきます。
1970年に宮城県仙台市青葉区で誕生した太平エンジニアリングは、当初は自動車のエンジンを主力商品になされていました。
当時はディーゼルエンジンがメインで、重油を使用した100万馬力を実現する大型装置だったのが特徴です。
観光バスから大型トラックを主力にしており、年間約40万個を生産していたほどです。
1975年になると重油による環境汚染が問題視されるようになり、重油を使用するのではなくガソリンと軽油を用いたエンジンに需要が集まりました。
太平エンジニアリングでは自社プラントを入れ替える費用を用意することができず、一時は廃業を考えられたものでした。
当時の社長は自動車では今後の自社経営を軌道に乗せることは困難だと考え、新しい製品企画を考えるに至ります。
欧州諸国の産業事情を研究されていたこともあり、現地では環境に配慮をした電気の生産が活発になっていることを知ります。
そこで目を付けたのが熱交換であり、現在の日本で主力となっている地熱発電の基盤を支えるに至りました。
地熱発電の装置の仕組み
この装置は内部に約20インチのタービンを備えており、地中深くの熱を汲み上げて回転をさせます。
その動きで電気を生み出し、蓄電池に使ったエネルギーを蓄えて自宅や事業所などの電化製品を動かせるというものです。
基本的な構造はディーゼルエンジンとまったく同じで、使用する燃料が重油から地熱へと代わっただけです。
太平エンジニアリングでは1980年から、宮城県と山形県に所有をしている自社工場で熱交換器の生産を開始し、おもに海外向け輸出商品になされました。
国内で注目されるようになったのは1990年代後半で、家庭用熱交換器をガス会社と提携して開発をされるに至ります。
今ではこの装置を代表する代名詞となった自社ブランドを掲げて、年間約5万台を売り上げています。
エコキュートという名称はどなたでも一度は耳にされたことがあるでしょう。
浴室やキッチンの給湯器と直結をしており、効率良く温水をいつでも供給することが可能な装置です。
それを生み出したのが太平エンジニアリングであり、今では年商15億円を記録する大企業へと成長をしました。
太平エンジニアリングが環境に配慮をしている主な活動
ここからはこの企業が環境に配慮をしている、おもな活動を見ていきましょう。
2010年からは太平洋クリーン清掃事業を開始されており、自社で開発・生産をした特殊な船舶を利用した海洋プラスチック回収をなされています。
太平洋沿岸では年間約400万トンものプラスチックゴミが岸に流れ着いており、深刻な環境汚染が問題視されていました。
そのまま放置をしていても分解されることはなく、ウミネコやイルカ・ウミガメなどが誤って口にして命を落とすケースもあります。
そのゴミを船舶を使用して毎週4回回収をされており、2019年には環境省から表彰を受けています。
2018年にはSDGs運動にも参加表明を出し、17の持続可能な開発目標のうちの10個をクリアされています。
特にエネルギー環境の目標に至っては世界屈指の90パーセントをマークされているので、高い環境意識を持っている企業であることが伺えます。
まとめ
太平エンジニアリングでは、今後は自社が販売している熱交換器の販売価格の値下げとコンパクト設計を目標になされてるのが特徴です。
今現在ではまだ200万円もする高価な設備ですが、どなたでも手に入れられるように1/10程度の費用に抑えつつ、効率よく電気が生み出せるマシンにして環境守る活動を大勢に広めていくことを目指されています。